
お子さま行進曲
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「あのねぇ、は。おーしゅーのおしろでねぇ、忍としてはたらいてたの」 「そうか。しのびってなんだ?」 「忍は忍!おしろのけいびしたり?はまだやらせてもらえないけど、おさはていさつやあんさつやかんじゃもやるの!」 「ガキのくせに物騒な事してるじゃねぇか」 子供は船長室で、3人の隊長に囲まれながらのんびりと話していた。 空から落ちてきた子供は子供だったけれど、現れ方が特殊だったうえ狙われることが多い白ひげ海賊団としては子供だからといって見逃せるものではない。 こうして隊長3人と船長である白ひげことエドワード自ら子供の取り調べを行っている次第だ。 本来ならば隊長に任せるのだが、暇だったし、長閑だし、子供だし、受け止めたのがエドワード自身だったので、そのまま聴取をしている。 しかしながら当の子供はそんなシリアスな空気を微塵も感じる様子もなく、どうやらエドワードの髭に興味深々のようで、エドワードよりも髭を見ながら話している。 エドワードの覇気にも3人の隊長の威圧にも当てられず呑気にしているのは、豪胆なのかただ抜けているのか。 「おいガキ、どうして空から落ちてきた」 「はだよ!えとねぇ、おひるねしてたらねぇ、おさにバレてねぇ、あ、ちゃんとやることはやったんだよ!?おさがおこりっぽくてねぇ!!」 「わかったわかった、んで?」 「やねのうえでおっかけられてねぇ、かわらなげられてねぇ、のあたまにあたったの。おさひどいよねぇ!!!けがするよ!!」 「そうだな。続きは?」 幾度も子供の話が逸れていくのを根気強く聞くエドワードは、流石1600人もの息子を束ねるオヤジだなとその場にいた隊長3人は感心していた。 自分たちはもう子供の長話に辟易し、苛立ちさえ感じているのにエドワードはそんな様子微塵も感じさせない。 そんでねぇ、とまた間延びした声が響く。 「いけにねぇ、おちたの!そしたらね、みずのなかじゃなくてね、そらだった!おちてた!!」 「池に落ちたら空だったのか?」 「そうそう!おしろのおいけがね、そらにつながってたの!びっくりした!」 ため息は、誰の口から出たのか。 ← □ → 2010/09/16 |