お子さま行進曲



「うひー、いたい」

「お前なぁ、もうちっと怪我しねぇようにできねーのかよい」


ぺたりと顔にガーゼを貼る。


「喧嘩、たのしーよ?」

「お前が血の気多いのは知ってるっつの」

「エースも強いから、もっと楽しいよ!!」


日々新しい青あざをこしらえてくるに、手当てをしているマルコはため息をついた。
そりゃあ、喧嘩好きなは楽しいだろう。
毎日とエースがぎゃーぎゃーと甲板で喧嘩している姿は、もう白ひげ海賊団の日常の一コマとなってしまっている。
最初こそハラハラと見守っていた船員も、今はまたかと微笑ましく見守るだけだ。

未だ威嚇する猫のように、エースは白ひげ海賊団を敵視している。
暇さえあればオヤジの首を獲ろうと闇討ちを仕掛ける。
他の船員にも敵意むき出しで近付く気ゼロ。
船内で完全に孤立しているエース。

だが、そんなエースも白ひげ海賊団全体に対して威嚇している割に、にだけは気を許しているように見える。
それはひとえに、がせっせと甲斐甲斐しくエースの面倒を見ているからだろう。
エースは食堂を利用しないので、が毎食せっせとエースの元へ飯を運んでいる。
他にも船内を案内したり、部屋について教えたり。
兎に角身の回りの世話を一手に引き受けているのがだ。
そんなでさえ否定するようなら、マルコはをエースから引き離す気でいたが、杞憂だったらしい。
同じ子供同士気が合ったようでほっと息を吐く。

でも、どこか気に入らない。
幾らオヤジからの許可が出てるとは言え、はエースにかまい過ぎじゃないか。
最近、ちっともが部屋に来ない。
休憩時間になっても、寄ってくることが少なくなった。


「エースは強いねぇ!こう、蹴りとか受け流すんだけどね?力を殺しきれずに受けた腕とか痛いんだよ!エースすごいな!?」

「今日はねぇ、エースにのくない避けられちった。もまだまだだなぁ」

「あ、エースは弟がいるんだって!」


エースエースエース。
おもしろくない、非常に面白くない。
ぶにっと、のほっぺたを引っ張ってやった。


「いひゃ!?いひゃいお、まひゅほ!!」

「うっせぇよい」

「まひゅほー!?」







  
2010/11/02