
お子さま行進曲
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夜、普段なら食堂で振舞われる酒や肉が今日は甲板で食されていた。 新入りエースを迎えるにあたっての宴である。 余興となったvsエースの殴り合いで、三度エースが海へ落ちたところで用意が整った。 仲良く片頬ずつ腫らし、が海に落ちたエースを抱えて戻ってきたところで宴が始まる。 「女子供はぜってぇ殴んねぇって決めてたのに…。つーかお前はサルだ、サルだから関係ない。ノーカンだ」 「エースはあれだ、ろ、ろ、ろしゅつきょーな!」 「アホー」 「ばーか」 呑めや騒げや歌えや、二人を囃し立てる者は多いが、宴が荒らされてはたまらないと二人の距離を取るものも多い。 ジョズがを担ぎあげ、サッチがエースの肩を組む。 「、主役をオレらにも譲れ」 「エース、俺らとも遊ぼうぜ」 それからは船員たちの間を流れ流れ、ある時はビスタの腕に乗っていたり、ブラメンコの腹に埋もれていたり、イゾウと酒を酌み交わしていたり、平の隊員とも楽しくどんちゃん騒ぎをしたり。 対するエースも稀代の新人だとサッチに茶化され揶揄され、はみんなの可愛い娘だから手を出すなとかなり大勢の船員から釘を刺されたり、末っ子だともみくちゃにされたり、白ひげと無言の時間を楽しんでみたり。 再びとエースが顔を合わせた時は、すでにかなりの時間が経過していた。 「あー、エースだぁ!ちょっとぶり!!どう?みんないい奴らっしょ!」 「お前…なんつーか愛されてんなぁ」 はもう10年近くモビー・ディック号に乗っているということを、エースは初めて知った。 色々な船員と話したが、みな一様にのことを手塩にかけて育てた娘だと言っていた。 その育て方はいささか間違ってるんじゃないかと頬の痛むエースだったが、心の中にしまっておく。 何より驚いたのは、かの大海賊エドワード・ニューゲート、四皇白ひげでさえ頬を緩ませながらのことを話したことだ。 目の前で酒の入ったジョッキを片手に酒を煽る少女は、名実ともに白ひげ海賊団の娘らしい。 「エースはの弟ね!初!弟!!!がねえちゃん!」 「はぁ!?お前幾つだよ、どう見たって俺より下だろ!!」 「んー、よくわかんけど、じゅう…いちにいさん…じゅうしごさい?」 「うっわ、超ガキ!やっぱ俺のが年上じゃねーか。俺がにいちゃんだ!」 「そんなかわんないしぃ?のが白ひげでは長いしぃ?お世話役だしぃ?」 また喧嘩が始まるかと周囲はざわついたが、互いに酒が入っているせいか取っ組み合いにはならなかった。 がっちりと肩を組み、けらけら笑いだしたのだ。 気が合い過ぎて喧嘩ばかりの子供たちは、喧嘩するほど仲がいいらしい。 ← □ → 2010/09/22 |