お子さま行進曲



目が覚めた。
知らない部屋だった。
そういえば、エースの部屋に来てたんだっけ。
部屋を見ようと首を回すと、変な体勢で寝てしまったのか寝違えて痛かった。
見ると、エースの部屋なのにエースはいない。
昨日の夜部屋を出ていったのか、が起きる前に出ていったのかわからないけれど、一緒に寝ればよかったのに、と思った。
は一緒に寝たかった。
誰かと一緒にいたかった。
だから自室じゃなくてエースの部屋を訪れたのに。
もう一度ベットに寝そべれば、エースの匂いがした。


*


「おはよう」

「おう、起きたか」

「起きた」


朝食を食べようと食堂へ行けば、エースがいた。
人はまばらで、そういえば島に停泊している事を思い出した。
みんな出掛けているから人がいないのか。
朝食昼食夕食だけは幾らかの調理人が交代で作り置きしている物があるので、それを自分で取る。
時計を見たら、いつもの朝と変わらない時間だった。
いつからいるのか、エースの前には空になった皿が並んでいる。
はジュースだけ注いでエースの前の席に着いた。


「そんだけか?」

「うん。おなか減らない」


ジュースに少し口をつけ、テーブルの上で頬をつく。


「エースは島に行かない?」

「や、お前も起きたし今から行く」

「そっか」

「なに、行かねぇの?」


考えてなかった。
は少し考えて、行かないと肯いた。


「昨日見たし、もういいや」

「一緒に行かね?」

「なんか買ってくれる?」

「昨日ベット貸してやったの誰だよ」

「エースだよ。毎日海からエースを引き上げたのは誰?」


の勝ち。
島に行くつもりはなかったけれど、エースと一緒ならいいかと思った。
誰かと一緒にいたい。
誰かと、誰と…?






  
2010/09/26