お子さま行進曲



は本当に嬉しそうに、幸せそうに笑った。
抱きあげられているのを、マルコの頭を抱えるようにして抱きかえす。
ぎゅうぎゅうと抱き込めば、今のの最大限の愛情表現だ。
幼いころからマルコはもちろん、は誰にでもくっつくが、今のハグが特別なのは見ている誰もがわかる。
ちょっと照れたように頬を赤くし、無上の僥倖に巡り合ったかのような極上の笑顔を浮かべているは、本当にマルコが好きなのだと。

対するマルコも、真正面からに顔を抱かれている形となっているので現在の様子こそわからないが、確実に顔を綻ばせているはずだ。
から告白された瞬間こそは呆気にとられていたが、じわじわと口元が弧を描いていくのを大勢が目撃している。
普段は寡黙で冷静、表情の乏しいマルコだが、嬉しい時は素直に笑う。
に抱きつかれる寸前垣間見えたマルコの顔は、間違いなく至福の笑みが浮かべられていた。

人が幸せそうに笑っているのは、いいことだと思う。
天下御免の白ひげ海賊団だとて、仲間の幸せは自分のことのように嬉しい。
まぁ、熱気に当てられやっかむ者もいないではないが、本心では二人の門出を祝っている。
エースやサッチ、他幾人か、やっとくっついたかと安堵の息をつくものも多い。


「グラララ、めでてぇな」

「オヤジ!」


その巨躯を揺らしながら、白ひげ海賊団船長であり、全ての船員の親であるエドワード・ニューゲートが姿を現した。
誰が認めようと、親が認めなければ許されないのが白ひげ海賊団のルールである。
逆に言えば、エドワードが認めさえすれば、他の誰が反対しようと許されることにもなる。
マルコは抱き上げていたを降ろし、エドワードに向き直った。
は嬉しそうにオヤジと呼び、地に足が着いた途端エドワードへ向けて駆けだした。


「あのね、マルコものこと好きって言ってくれたよ」


心底幸せそうに笑いながら言うを、今度はエドワードが腕へ抱き上げた。
きょとんと瞬くを腕に乗せ、マルコを見据える。
マルコもエドワードを見る。
自然、周りもそれを見守るように静かになった。


「泣かせるな、たァ言わねぇ」

「海賊は海賊だ。 ―――だが」


「幸せになれ」

「当たり前ェだよい」


わぁ、とモビー・ディック号で、歓声が上がった。







  
晴れて公認鳥ップル。
2010/01/16