
お子さま行進曲
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「サッチ、どーしよう!?」 「どうするったってなぁ」 現在、サッチの部屋でお悩み相談中。 もうちょっとだけ詳しく言うなら、恋愛相談中。 ベットの上で枕を抱きながら身悶えると、イスに座ってその様子を眺めるサッチ。 唯一今回の事情を知っているだけに、すっかり相談役となってしまったのだが、とんだ面倒だとサッチは思う。 はマルコが好きで、マルコもそれこそが小さい頃からずっと好きだ。両思い。 両思いなのだから、どちらかが告白してしまえば全てが丸く収まりハッピーエンド。 それだけの話なのだから、サッチが介入するまでもなくどちらかが一歩踏み出せばいいだけの話なのだけれど。 マルコはマルコだから、きっとよっぽどの事がない限り現状維持を貫くはずだ。 今まではずっとマルコを一番に信じて慕っていて、それを邪魔する者は今のところいない。(まぁエースという存在がいないでもないが、エースが若干ヘタレなのとマルコが目を光らせているのとで気にするまでもないだろう) 焦る必要が全くないので、行動を起こす必要がない。 その気があるなら、がそれなりに成長した時にとっとと手中に収めていてもおかしくはない。やる時はやるのがマルコだ。 いや、まだまだは幼いから我慢の真っ最中か。 マルコが我慢?とふと思ったが、あのまだ色々と未発達なに手を出すようなマネは…マルコでも……してない…と、思う。 断言できない程度に油断がならないのが、マルコという男だ。 一方はつい先日恋心を自覚したばかりのうぶな女の子だ。 恋ってなんだろう、これが好きって気持ちなのかな、という聞いてるだけで身体が痒くなるようなうぶさだ。 ナース達に色恋沙汰など聞いてこなかったのだろうか。 でも普通に、食っちゃったヤッっちゃったなどの意味を理解して口にしているから、それなりには聞いているとは思う。おそらくは下ネタとして。 幼少期からモビー・ディック号で育ったなので世間からずれている面も多かれ少なかれあるが、それがまさかこんな所で災いするなんて思ってもみなかった。 恋愛話をする度、顔を真っ赤にするをいったい誰が想像できただろう。 マルコがを食えば、話は早いんじゃないかと思うサッチだった。 でも、それをやるといくらマルコでも幼女趣味すぎると言うか、手を出すには幼すぎるからそれはない…? ないない。むしろあるべきではない。 あったら本気で犯罪者だ。唯でさえ、二人並んだ絵面が親子ほど離れているのに。 せめて10代後半になるまで待ってやるべきだ。 枕相手に格闘しているを見るが、どっからどうみてもまだまだ、まぁだ、お子ちゃまだ。 「で、最近マルコとどうなんだよ」 「マルコと?…あ、あんま話せてない、か、な…!」 「は?」 「だ、だって顔見るとなに話せばいいかわかんなくて、さ!」 マルコの話題になった途端、挙動不審になるんだからやりにくいったらありゃしない。 なんだか見ていてイライラしてくるぞ?と思わなくもない。 あの元気で活発で女らしさのかけらも見せなかったが、幸せオーラを撒き散らしながら恋愛相談だなんて。 こちとらもう何年も一人身で、薔薇色ライフなんて随分御無沙汰だと言うのに。 くっつくことが確約されている二人を、どうして自分が恋のキューピッドよろしく手引きしてやらないといけないんだ。 年下に僻んでも仕方がないけれど、独身貴族に恋愛相談するなんてちょっと気使いが足りないんじゃないのか? 「あー、まぁ、落ち着くまで距離置いてみてもいんじゃね?」 だから、うっかりこんなことを言ってしまったのだけど、自分は悪くないと思うサッチだった。 ← □ → 2010/12/15 |