■眠れる獅子
「はじめまして、こんにちわ、魔女っ子です。 唐突ですが貴方の願いを叶えて差し上げましょう」
シャランラ。
再びこんにちわ、魔女っ子です。 です。
今回の解説は不本意ながらもわたくしが務めさせて頂きます。
本来ならば今回のヒーローが語るのが道理なのですが、どうにもこうにも話が進まなさそうなのでわたくしの様な日陰者には眩しくて熱くて仕方の無い邪魔以外の何者でもないスポットライトが当てられたのです。
「って、寝てますね」
そう、今回のヒーローは寝てるんですよ。
木陰でのんびりと、くーかくーかと。
これでは語るに語れないので、わたくしが語っております。
ちなみに、今回のヒーローは芥川慈郎さんというらしいです。 着ているジャージに書いてありました。
「起きてください、願い事を言ってくれなきゃ困ります」
揺さ振っても無反応。 声をかけても無反応。
これは、厄介。
こういうキャラは一度寝たら何をしても起きないタイプが多いので、大変困ります。
わたくし、願い事を叶えなければ試験に不合格となってしまいます。
1度現れたら、その人の願いを必ずかなえるというのがわたくしのモットーなのですよ。
こんな一般人に試験をふいにされるなんて、あぁ、日頃の行いのいいわたくしがどうして・・・!
・・・、殴って蹴り起してもいいですか?
なんでこんな寝太郎のためにわたくしの試験を棒に振らなきゃいけないんですか。
「起きてくださいな、起きろ、おっきっろ、グッドモーニング、バッドモーニング、お目覚めの時間」
はぁ、殴っても叩いても蹴っても水かけても無反応ですか。
まぁ予想はしてましたがね。
さてはて、どうしたものやら。
「ん〜」
「! そうです、その調子で起きてください」
やりました、わたくしやりましたよ。
身じろぎして目を擦ってます、この人。
これはもう起きる前兆ですね、そうとしか思えません。
「おれ、寝るのー、じゃましないで、欲しい、Cー」
この上まだ寝る気ですか。
絞め殺しますよ、つーか願い事叶えたらわたくしが個人的に殴って差し上げたいです。
「でも、跡部に怒られるのはやだぁ〜」
「それが貴方の願い事ですか?」
「ん、そ、かもしんねー」
「ラジャー、了解です。 迅速かつ的確にその願いを叶えて差し上げましょう」
寝惚けてますが、それは列記とした願い事ですね。
そうです、そうに決まってます。
ポーロリンピュアリーンハナハナピー 慈郎さんが跡部さんという人物に怒られませんよーに
「これにて一件落着です、さようなら」
なんだかヒーローが目を覚まさないという異例の展開でしたが、これにて今回の話はおしまいです。
以上、魔女っ子でした。
芥川慈郎 2006 05 31
