■意外なパトロン持ってるデータマン

「魔女っ子参上、どうぞよしなに」


ぴきゅりーん☆

なるほど、これが貞治が言っていた例の魔女っ子(?)か。
確かに貞治の言っていたとおり黒い帽子に黒いマント、セーラー服に杖を持っているな。
まさか本当に現れるとは。
貞治の頭が変な汁の飲みすぎでイカレて見た妄想や幻想の類ではなかったのだな。


「話には聞いている」

「あら、それでは話が早いですね。 貴方の願いは何ですか? 魔女っ子がなんでも1つ叶えて差し上げます」


話に聞いたとおりだ。
貞治のデータ曰く・・・。


「名前は、女性、某学校魔法科6年生、年齢不詳。 願い事に若干の禁則事項があり、それらは叶えることが出来ない。 あってるかな?」

うっわ、ストーカーですか? 人に了承も得ず人のデータをやり取りするなんて常識知らずですね、人権保護法無視ですか。 人権保護法だって立派な法律違反ですよ、出るとこ出ましょうか? それよりもまず、やられた人がどんな気持ちになるか考えもしなかったんですか? 仮に知っていたとしても本人には黙っておくべきだとわたくしは思いますね。 しかも女子のデータを調べ上げた挙句他人に話すなんて、本当に信じられません。 あぁ、わたくしなんだか穢された気分です


・・・なるほど、詭弁雄弁多弁。 多少の誇大肥大があり。 おっと、軽い被害妄想もあるか。
まぁ言っていることが正論なだけに何も言い返せないのだがな。
それにしてもよく喋る魔女っ子だ。
女とは得てしてこういう生き物なのだろうか。


「それで? わたくしのことを事細かくご存知の貴方には当然言いたいこともわかってらっしゃるんでしょうね」

「あぁ、もちろん。 俺の願い事、だろ?」

「えぇ、正解です。 理解力のある方で大変助かります。 これでもう少し配慮の行き届いた方なら完璧だったんですけれど」


残念そうに溜息をつく魔女っ子 (さんと呼ぶべきか?) の言葉を受け流しつつ、俺は願い事を考えた。
あらかじめ貞治から聞いておいたおかげか、大体の願いは決まっている。

幸村・・・。

無論己の私欲に走った願い事を考えたりもしたが、それは自分で叶えられるであろうからやめておいた。
どうせ願い事を叶えてもらうのなら、自分ではどうしようもない願い事をするべきだ。
そうして考えた結果が、お前だ、幸村。


「それでは願い事を言わせて貰う」

「なんなりと」

「幸村精市の病気を、治してやって欲しい」





「あらあらあら、みなさん精市さんのことをとっても大事にお思いですね」

「ホント。 俺ってばいい部長だから」





「幸村? 本物・・・か?」

「いやだな、ついに目が見えなくなった?」

「幸村、久しぶりだな」

「そう? ついこの前もお見舞いきてくれたからそうでもないよ」


にこりと笑う幸村は、見まごうことなき幸村だ。
これはどういうことなんだ、さん。
俺は幸村の病気を治してくれ とは言ったが 幸村を此処につれてきてくれ とは言ってないぞ。


「柳、俺の病気は俺自身が治す」

「だから、に願っても無駄だよ」

「もし誰かが俺の病気を治すように言ったら、俺をここにつれてきてもらう約束をしたんだ」


「柳、心配してくれてありがとう」


幸村はなんでもお見通しってわけか。
まったく、敵わないな、うちの部長には。
にこにこ笑う幸村はいつもと同じか、それ以上の何かを感じた。

その後最近学校や部活であったこと近況報告をしたり、真田の副部長っぷりを話したり、短い時間だったが会話に花を咲かせ楽しんだ。
なぜかその時さんはいなかった。 きっと気を利かせてくれたのだと思う。
幸村がそろそろ帰ると言い出したときにまた現れて、幸村をつれて帰った。

魔女っ子、
貞治、彼女はとてもいい人だな。
柳蓮二   幸村はみんなから愛されてるといい。   2007 06 11   
魔女っ子の魔法に満足したよ(ワンドリランキング)

BACK      NEXT

WORKS TOP