■2年のエースはおつむが弱点

「魔女っ子です、どうぞよしなに」


ぴきゅりーん☆

持ってた牛乳を落とした。
俺のシャツに盛大にシミをつけながら、びちゃーって屋上のアスファルトの上にぶちまけられた。
ありえねぇー。
っつか、は? 魔女っ子? うちの学校の生徒なわけ?
ありえねぇー。

いやいや、だって考えても見ろよ。
魔女のコスプレした女が変な効果音・・・ RPGのレベルアップした時の奴か? ・・・まぁそんな感じの効果音と一緒に、屋上のドアを開けて入ってきやがった。
いやいやいや! 
それだったら空から降ってくるなり壁から出てきたりそれなりに魔女っぽい登場の仕方しろよ!!
てゆーかせっかく黒い帽子に黒いマントに杖持って黒魔術師みてーなんだからさぁ!
って、んな変なツッコミしてる場合じゃなくてだな!


お前、恥ずかしくねーの?

「・・・恥は1年の頃に捨てました。 旅の恥はかき捨てとも言いますしね」


おぉ、内心大混乱中だけど案外まともな質問したじゃねーか、俺。
さすが俺。


「貴方の願いは何ですか? 今なら魔女っ子がなんでも1つ叶えて差し上げます」


あ痛たー!!
こいつマジ痛てぇ!
かんっっっっぺきに魔女っ子気取ってやがる!
もう受ける受けない通り越して痛いっつーの!やべぇって!


「ぎゃはは! それマジ!? あんたノーミソ大丈夫か!」

そのふやけたワカメ頭よりは大丈夫ですね。 願い事はストパーで決まりですか?」

「っざけんなよ、この変態!」


コイツマジでムカつく!
なんなんだよ、この黒い奴!!


「か弱い乙女に暴力反対。 短気さんは困ったものですね」


俺はまだ手だしてねっつの! (そりゃちょっと殴ってやろーとは思ったけどさ)
つーかなに!? なんで俺動けねぇの!!


「さ、今のうちにとっとと願い事を言っちゃってください。 声は出せるでしょう?」

「お前、俺に何したんだよ!!」

「ちょっと身の危険を感じましたので、影踏ませていただきました」


それってアレだろ、なんだ、あー、くそっ、思い出せねぇ!! 
思い出せねぇけど、それなんかのパクリじゃねーか! しかも魔法じゃねーし!
って、マテマテマテ、冷静になれ、俺! 魔法なんか存在しねぇっつの!
これはアレだ、きっと俺の感覚がマヒってるからだ。 断じてあんな変な女のせいじゃねぇ。
動け、俺!


「どんなに頑張ろうと動けないんですから、無駄な足掻きはやめたほうがいいですよ?」

いや、俺はやる!

「ま、勝手にやっててください。 一言願い事を言ってくださればすぐに解放して差し上げるのですが」


マジこいつムカつく!!
どっからか雑誌出してきて読み始めやがった! (ゼロサムか?)


「つーかいい加減にしろよ! 早くはなせってんだ!!」

「・・・それが願いと言うなら、わたくしは叶えさせていただきますが?」

「なんでもいいからさっさとしろ!」


イチイチ腹の立つ女だな、コイツ!!
ぜってぇ後で1発ぶん殴ってやる!


「はい、これでもう動けますよ」


はぁ? 足どかしただけじゃねーか、ふざけんな・・・って、マジで動けるし!
ありえねー!!
は? 一体なんなわけ!? いやいや、マジで!


「ちょ、お前・・・

ぴきゅりーん☆


って、消えやがった!!
文句言う暇も殴る暇もなしかよ!!
っあ゛ーーーーーー、 あ り え ね ー ! ! !

っくそ、こうなったら不貞寝だ、不貞寝!
午後の授業全部ふけてやる!
んで部活やって、今のこと忘れてやるんだ!
荒削り。   切原赤也   2007 07 01   
魔女っ子の魔法に満足したよ(ワンドリランキング)

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