 |
「どうしよっか」
「わからぬ」
すっかり落ち着いた子供を抱いて、ソファに座った。
子供も、わたしに抱かれている事を良しとした。
子供は池に落ちたと言ったけれど、ちっとも濡れてない。
けっこう豪華な和服を着ていて、言葉づかいも子供っぽくなくて、ちょっぴり変だ。
まぁ、この部屋に突然現れた時点でとっても変だったのだけれど。
「帰りたい?」
「……………わからぬ」
「そっか」
子供が泣きそうな顔をしたから、詳しくは聞かない。
ただ、なんとなく家庭の事情という考えが頭をよぎる。
「今日は、うちに泊まっていく?」
「……わからぬ」
「いいよいいよ、気にしないで。行くところがないなら、うちにいなよ」
突然天井から落ちてきて、騒いで暴れて近所迷惑だったけど。
泣きそうな子供を路上に放り出すなんて真似はしない。
小さい子だ。
誰が見ても子供で、小さくて、でも、何かをちゃんと背負っていて。
悩んで、迷って、それでもちゃんと考えていて。
強くて、立派な子だ。
この子の答えが出るまで、傍にいてあげよう。
いつか帰るその日まで、一緒に考えてあげよう。
前に進もうと努力している人は、好きだ。
「ね?一緒に居てくれなきゃ、さびしいな」
2010/01/18
バック メイン ネクスト |
|